ビノ・ドゥルセ・ナトゥラルは通常ペドロ・ヒメネス種かモスカテル(マスカット)種のぶどうを過熟、もしくは天日干しにして生産されたモストによって造られます。「パシフィケ―ション(ぶどうが干しぶどうになる状態)」と呼ばれる天日干しの工程の結果、糖分が豊富になったそのモストは本来の甘さを残すために部分発酵がされます。
そのために、一度発酵が始まるとグレープ・スピリッツが添加されます。このようにして得られたワインはその後大気中の酸素と直接触れながら熟成し、それにより深いマホガニー色になり、濃度がついていきます。
使用されるブドウ品種によって、次のようなビノ・ドゥルセ・ナトゥラルが生産されます。
以上のように、ビノ・ドルセ・ナトゥラルとは、これまでのワイン(モスカテルやペドロ・ヒメネス)と同じ手順で作られるものですが、ヘレスの女王と呼ばれるパロミノ種のブドウ果汁からいわゆる甘口ワインを生産することができます。
生産方法と熟成方法はその他の天然甘口ワインと同じです。ブドウは醸造前に「アソレオ(天日干し)」にするかどうかは自由で、醸造はモストの発酵を最小限にとどめるか、あるいは実質的に発酵を全く行わないで、グレープスピリッツを添加して発酵を止めます。
この最低含有糖度は1リットル当たり160グラムで、これは主にブドウをアソレオさせるかどうかで決まります。
甘口ワインの鍵は、パロミノ種による優れた進化の可能性と、アルバリサ土壌とパロミノ種の素晴らしい共生の結果、テロワールを表現する能力にあるのです。